@自然接触体験の減少・・・・・生命の尊厳観の喪失
  ・水族館に行った時、「リーダー、かまぼこってどこにいるの?」と聴かれて驚いたことがあります。また、キャンプに行くと、「虫がいるから嫌だ」という声も良く聴きます。しかし、私たち人間は、日々多くの生き物の命を頂き、多くの生き物と繋がりを持って生きています。「私もこの自然の中の一員として生き、生かされている」という思いを持つことはとても重要です。「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いも、自然体験を重ねた子ども達からは発せられることはないでしょう。キャンプや野外活動の中で、自ずと学び取っているからです。
A異年齢集団体験の不足・・・・異文化との交流、コミュニケーション、協力が不可能
  ・地域からガキ大将を中心としたグループが無くなってしまいました。かつてはそのグループの中で、こどもたちは多くのことを学び合い、異なる人と協働する力を獲得してきました。勉強はできるけれども、活動の中でリーダーシップを発揮できない人が減少していることも、このことと関係していると思います。グローバルな時代を迎えるこれからのこどもたちにとって必要なことは、異年齢な人で構成されるグループ活動を体験し、コミュニケーションの力を伸ばすことです。中田選手や松井選手の成功は、そのコミュニケーション能力の高さも一因です。
B自発的活動体験の不足・・・・無気力・無関心・無感動・無責任
  ・親の管理の下、幼児期からお受験のために極端に勉学に励むこどもがいます。その結果は、誰かに指示されたことはできるけれど、主体的に行動ができないことに通じ、更に進めば、自分のことにしか興味が無く、誰かと共に生きているという生活実感が希薄化していくことにならないでしょうか。マザーテレサは、「本当の貧困は、金銭的貧しさではなく、人の痛みや喜びに無関心である事」と言っています。世界の平和を自ら創り出していかなければいけない子どもたちが、人の痛みや喜びに無関心であってはいけません。司馬遼太郎は、小学校6年生の国語の教科書の教材として著した「21世紀に生きる君たちへ」で、そのことの重要性を繰り返し説いています。主体的行動から何かを実現させた経験者は、夢を持ち続ける事ができます。
 YMCAでは、このような状況を憂い、さまざまなプログラムを提供しています。どの活動も、こどもたちに不足している本物体験を補完することを大切に考えています。そしてその活動に参加したこどもたちは、優しい大学生ボランティアのサポートのもと、自ら生きる力を育んでいきます。その結果こどもたちは、レオレオ二原作の「スイミー」のような人として成長し、社会をより良く変革していく人となることを確信しています。こどもたちはみんな「希望の星」なのです。

 
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